株主優待で注目すべきところは投資額ではない?

 株式会社が自社株を一定数以上保有している株主に対して行うのが株主優待です。株主優待は権利確定日に現物株を保有している株主が対象で、いわゆる空買いの信用取引には適用されません。権利確定日は「配当金を受け取れる権利が確定した日」で企業毎に異なりますが、大体決算期の3月に集中しています。保有数により優待内容は様々で、金券や自社関連品に使用できる割引券・無料券、自社製品の詰め合せ等がメインですが、中には独自のユニークなサービスを導入している企業もあります。
 但し株主優待は名義毎に付くため、注目すべき点は持ち株が多いから利益も大きいとは限らないことです。逆に保有額が少なくてもお得感があるサービスも存在しますから、機関投資家に代表される大口顧客にはシステムの関係でメリットが薄いと受け止められています。この制度は世界共通ではなく日本独自に発展した独特の制度です。日本は海外に比べると投資より貯蓄を重んじる国民性であり、銀行や証券会社のような機関投資家を除けば株式購入に資金を投じる人口は決して多くない現状です。よって企業からすれば個人投資家は直接の消費者(ユーザー)であり、マーケット分野から見ても収益アップに繋がる貴重な存在です。この株主優待を目当てに株を購入する個人投資家もいるので各企業は知名度向上と出資確保の為に魅力的な優遇制度を提供していますが、逆に海外においてはほとんど行われていません。なぜなら外国人投資家は「特典」ではなく配当金そのものを重視しているからで、彼等から見れば自分達の出資を利用して収益を得たのだから見返りとしての配当は当然の権利であり、それが高額であるほど望ましいのです。つまり無駄に費やす金があるなら配当に上乗せして欲しいという考えが主流なので、日本の個人投資家にとっては嬉しい制度でも海外の感覚では無価値と見なされています。